2008年1月16日水曜日

キムチとラーメン

キムチチゲがおいしい季節になってきた。ぐつぐつ煮える野菜や豆腐。ほどよい辛さのコチュジャン。体の中からぽかぽかと温まってくる▼キムチが日本のスーパーの漬物売り場に定位置を確保したのはいつごろからだろう。かつては本場ものを土産に買ってきても見向きもされなかった。そんな体験を持つ身にとって隔世の感がある▼この十数年で日本社会に溶け込んだ隣国の味覚はキムチだけでない。ビビンパプやチヂミやユッケ。最近ではマッコルリという濁り酒が若い女性に人気だ。ソウルでは日本風のラーメンが若者にうけ始めたという。韓国でラーメンといえばインスタントだった。生めんはなぜか定着しなかった。それが変わってきたのは日本での食体験にあるようだ▼日韓間の旅行者はいまや年間五百万人近くになる。人の往来は食との出会いでもある。韓流ブームは一段落の感じだが互いの関心は確実に高まっている▼大韓航空の調査で昨年、さっぽろ雪まつりが「最も行ってみたい世界の祭り」の一位になった。開幕まであと三週間。彼らに本場のラーメンを堪能してもらう機会にもなる▼札幌中心部の観光案内板に英語と中国語、韓国語が書かれている。これを機にラーメン店のメニューへも広がれば喜ばれよう。北海道での食の交流が相互理解への一歩になるのならうれしい話ではないか。今年は日韓観光交流年だ。

(北海道新聞より引用)

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