2008年1月31日木曜日

ジャガイモの水耕栽培に成功 収量は露地の4倍 産総研

独立行政法人・産業技術総合研究所北海道センター(札幌)はジャガイモの水耕栽培に成功した。水耕栽培はレタスやトマトでは実用化されているが、ジャガイモは国内で本格的な研究事例がなかった。収量も露地栽培の約四倍を記録。通年収穫にめどがつけば、原材料の安定確保が課題の食品加工会社などから注目されそうだ。
 国内の露地物のジャガイモは通常五-十一月にかけて収穫されている。
このためポテトチップスなどの製造会社は、春先の端境期には保存したジャガイモを使用する。だが保存期間が長くなるほどでんぷんが糖に変わり、油で揚げると焦げて黒く変色しやすくなる問題点があった。
 同センターは水耕栽培に向け、特製のステンレスケースを開発。栄養分を含んだ水を循環させるもので、茎の生育を助けるため筒で支える工夫も凝らした。
 この装置を同センター内の研究施設に設置。昨年六月から水耕栽培に取り組み、光の照射時間や室温などを調整しながら最適な生育環境を探っていた。その結果、収量は一平方メートル当たり約十五キロと露地栽培の約四倍を達成した。同センターは「装置の改良が進めば、収量は露地栽培の十倍にもなる可能性も」と期待する。
 また、水耕栽培では土壌を通した病害虫感染の危険性が大幅に低くなり、無農薬栽培ができるようになるほか、ジャガイモではタブーとされる連作も可能という。
 今後の課題は、装置の設置費用などのコスト。今回の試験では算出していないため、同センターは「生産経費を把握したうえで実用化の可能性を示したい」と話している。

(北海道新聞より引用)

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